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三角地とは?所有するメリット・デメリットと活用・売却の方法を解説

この記事では、三角地の基礎知識から所有するメリット・デメリット、具体的な活用方法、売却時のポイントまでを解説します。

1.三角地とは?

三角地とは、その名のとおり三角形の形をした土地で、正方形や長方形の整形地に対して不整形地に分類されます。

整形地と比べて価格や税評価が抑えられる一方、デッドスペースが生まれやすく、活用や売却に工夫が必要です。

道路が交差する角地や河川・線路沿い、土地区画整理などによって生まれやすく、市街地でもよく見かけます。

もともと四角形だった土地が、相続時の分筆によって三角形になるケースもあります。

三角地は道路に接する間口が狭く、奥に向かってスペースが広がる形状が多いため、普通の土地と比べると建物の設計などに工夫が必要です。

整形地とは使い勝手が異なるため、所有・活用・売却のどの場面でも、三角地ならではの性質を理解しておきましょう。

2.三角地のメリット

三角地は扱いにくいと敬遠されがちですが、所有する側から見れば見逃せないメリットもあります。

三角地のメリット

  1. 周辺相場よりも価格が安い
  2. 固定資産税や相続税の評価が下がりやすい
  3. 個性的な建物を建築できることもある

(1)周辺相場よりも価格が安い

三角地の代表的なメリットは、周辺の整形地より価格が安く、取得しやすい点です。

形状が独特で活用に工夫がいるほか、間口が狭いなど道路付けが悪い場合は容積率の消化が難しい(ボリュームが入らない)ことや、駐車スペースが確保できないなどの理由で需要が限られ、同じ立地・同じ面積でも坪単価が抑えられる傾向にあります。

例えば、人気エリアでも整形地より1〜3割またはそれ以上価格を抑えて販売している不動産会社も少なくありません。

(2)固定資産税や相続税の評価が下がりやすい

三角地は、固定資産税や相続税といった税負担が抑えられやすい点もメリットです。

不整形地は活用しにくさから土地の評価額が低く算定される仕組みがあり、その評価額に基づいて税額が決まります。

また、相続税の計算では国税庁の定める不整形地補正によって評価額が減額される取り扱いがあり、形状によっては評価が一定程度下がる可能性があるでしょう。

ただし補正の割合は土地ごとの形状や地区区分によって変わるため、具体的な税額は税理士などの専門家に確認するのが確実です。

(3)個性的な建物を建築できることもある

三角地は、特に鋭角の角地の場合、整形地では実現しにくい個性的な建物を建てやすい点も魅力です。

四角形の標準的な形状の住宅が収まらない土地の形状のため、設計を工夫すれば他にはないデザインの住まいや店舗を建てられます。

デザイン性を重視する方や、SNSで発信できる特徴的な建物を建てたい方にとっては、形状そのものが強みになることもあるでしょう。

3.三角地を所有するデメリット

三角地にはメリットがある一方で、所有前に押さえておきたいデメリットも存在します。

三角地を所有するデメリット

  1. デッドスペースが生まれる
  2. 設計や建築上の制限がある
  3. 資産価値が下がりやすく売却しにくい

(1)デッドスペースが生まれる

三角地の代表的なデメリットは、活用しづらい空間(デッドスペース)が生まれやすい点です。

多くの建物は四角形で設計されるため、三角形の土地に四角い建物を配置すると、鋭角の部分がどうしても余ってしまいます。

特に先端の部分は駐車や設備の設置に向かず、使い道が限られ、土地を有効活用できないと感じる方も多いでしょう。

室内を土地の形に合わせると、今度は四角い家具や家電を配置しにくくなり、無駄な空間が生じることもあります。

(2)設計や建築上の制限がある

三角地は、建築基準法上の規制や用途地域などとの関係で、建物の設計の自由度が下がってしまう場合もあります。

建物は、建ぺい率や容積率、道路斜線・北側斜線、日影規制といった制限など、建築基準法で定められた規制をクリアしなければなりません。

特に間口が狭い三角地は、建築基準法の接道義務を満たせるかどうかの確認が必要です。

建築基準法第43条第1項では、原則として幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないと定められており、これを満たさない土地には建物を建てられません。

間口が狭い三角地では、この2mの接道要件を満たせず、建築に制限がかかる場合もあります。

(3)資産価値が下がりやすく売却しにくい

三角地は需要が限られるため資産価値が下がりやすく、売却に時間がかかりやすい点もデメリットです。

購入時に価格が安いことは、売却するときに高値がつきにくいことを意味します。

標準的な四角い形状の住宅を建てにくいことから購入希望者が限られ、周辺の整形地が売れても三角地だけが残るケースも少なくありません。

そのため、売却を見据えるなら、早めに不整形地の扱いに慣れた不動産会社へ相談しておくと安心です。

4.三角地の活用方法

三角地は建物を建てにくい一方で、形状を活かした活用方法がいくつかあります。

ここでは建物に頼らずに始めやすい方法を中心に、五つの活用アイデアを紹介します。

三角地の活用方法

  1. 駐車場や駐輪場
  2. トランクルームの設置
  3. 看板や自動販売機の設置
  4. テナント経営
  5. 貸農園の経営

(1)駐車場や駐輪場

三角地の活用でまず検討したいのが、駐車場や駐輪場としての利用です。

車の利用者が多く、付近に飲食店などの建物が多いような立地なら、月極やコインパーキングとして安定した需要と収入も見込めます。

駐車場や駐輪場にすれば建物を建てる必要がなく、初期費用を抑えて始められるため、土地の形状を問わず取り組みやすい方法といえます。

また、三角地の先端のスペースには駐輪ラックを置くなど区画の取り方を工夫すれば、デッドスペースも減らせるでしょう。

(2)トランクルームの設置

三角地にコンテナ型のトランクルームを設置し、収納スペースとして貸し出す方法もあります。

住宅を建てにくい場合でもコンテナなら設置しやすく、また形状に合わせて配置を調整できるため、三角地との親和性が高い活用方法です。

特に近隣に集合住宅が多い場合は収納の需要が高い傾向にあるため、利用料も継続的に徴収できる可能性があります。

コンテナ型トランクルームは1基あたり数十万円程度で設置できるなど、建物を建てるよりも費用を抑えて土地活用を検討できるのも魅力です。

ただし、用途地域によってはトランクルームが設置できませんので注意が必要です。

(3)看板や自動販売機の設置

交通量の多い角地の三角地であれば、野立て看板や自動販売機の設置にも向いています。

先端部分でも、視認性の高さを活かすことができれば広告を見てくれる人もいますし、自動販売機を見つけて利用してくれる人も増えるでしょう。

また、自動販売機は設置業者に運営を任せることができる場合が多く、手間をかけずに収益化を狙えるのも魅力です。

わずかなスペースでも収入源にできる点が、この活用方法のメリットです。

(4)テナント経営

所有している三角地の広さが十分であれば、店舗や事務所を建ててテナントを経営するのも選択肢の一つです。

例えば、コンビニや飲食店、美容室などへスペースを貸して、賃料収入を得られるでしょう。

三角地ならではの個性的な建物や外観は、オリジナリティを求める店舗にとっては魅力になることもあります。

ただし、テナントの建築には初期費用がかかるため、建築費用と収益のバランスを事前によくシミュレーションしましょう。

(5)貸農園の経営

三角地に建物を建てにくい場合は、区画を貸し出す「貸農園(シェア畑)」としての活用も考えられます。

利用者に区画を貸し出して野菜づくりの場を提供する方法で、大掛かりな設備は不要で、狭い土地でも始めやすいです。

最近は庭が狭い、庭がない家も増えており、都市部では需要が高く、人気のサービスとなっています。

ただし、土地の目的が農地になる場合は難易度が高く、農地法に基づいて申請手続きが必要です。

三角地がある地域の自治体に経営について事前に確認しておきましょう。

5.三角地を売却する際のポイント

三角地をそのまま売り出しても買い手が見つからない場合、工夫することで売却の可能性を高められます。

三角地を売却する際のポイント

  1. 隣地所有者への売却も検討する
  2. 隣地を購入して整形地にして売却する
  3. 買取業者に買い取ってもらう

(1)隣地所有者への売却も検討する

三角地の売却では、まず隣地の所有者への売却を検討しましょう。

隣接地と一体になれば土地の形が整い、使い勝手が上がるため、隣地所有者にとっては買い増す動機が生まれやすいです。

また、第三者よりも購入意欲を持ってもらいやすく、条件が合えばスムーズに話が進むかもしれません。

まずは隣地の所有者に打診し、購入の意思があるかを確かめてみましょう。

(2)隣地を購入して整形地にして売却する

逆に、隣地を買い取って整形地にしてから売却する方法もあります。

三角地に隣地を組み合わせて四角形に近い形の土地にできれば、需要のある整形地として売り出せる可能性があります。

土地の形が整うと活用の幅が広がり、単純な面積の合計以上に価値が高まることもあるでしょう。

ただし、隣地の所有者が土地の売却を検討していない場合には、隣地の購入自体が難しいといえます。

また、隣地の取得費用がかかるため、整形地にした後の売却見込みと費用を比較して判断することが大切です。

(3)買取業者に買い取ってもらう

隣地の売買が難しい場合には、買取業者に三角地を買い取ってもらう方法がおすすめです。

買取業者であれば仲介による売却とは異なり、業者が直接土地を買い取るため、購入希望者を探す手間が省け、早期の現金化が期待できます。

また、一般の市場では売れにくい不整形地でも、活用ノウハウを持つ業者なら買い取ってもらえる可能性がある点もメリットです。

買取を利用する流れやポイントについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。

6.三角地についてよくある質問

最後に、三角地についてよく寄せられる質問に答えていきます。

三角地についてよくある質問

  1. 三角地は売れにくいと聞きますが本当ですか?
  2. 三角地は縁起が悪いと言われますが本当ですか?

購入や相続の際に生じやすい疑問を解消したうえで、三角地の活用や売却などを検討しましょう。

(1)三角地は売れにくいと聞きますが本当ですか?

三角地は整形地に比べると売れにくい傾向にあります。

四角い住宅を建てにくく購入希望者が限られ、買い手が見つかるまでに時間がかかることも少なくありません。

ただし、立地が良好であれば需要は十分に見込め、活用提案とセットで売り出したり、隣地所有者や買取業者に相談したりすることで売却の道は開けます。

不整形地の扱いに強い不動産会社を選ぶことで、様々な活用アイデアをもらえるでしょう。

(2)三角地は縁起が悪いと言われますが本当ですか?

三角地は縁起が悪いと言われる背景には、風水や家相の考え方があります。

風水・家相では四角く整った土地が安定しているとされ、三角形は角が立つ、尖った部分に気が乱れるといった見方から避けられてきました。

ただし、これは風水・家相という考え方にもとづく言い伝えであり、科学的な根拠が示されているわけではありません。

実際の住み心地や資産価値は、土地の形そのものより、立地や設計、活用のしかたによって決まります。

気になる場合は、とがった角部分を花壇や植栽にするなどの対策をとる方法もあるため、現実的な条件とあわせて総合的に判断しましょう。

まとめ

三角地は、価格や税評価が抑えられ、個性的な建物を建てられる可能性がある一方、デッドスペースや売却のしにくさといった課題もあわせ持つ土地です。

所有し続ける場合は、用途地域等の規制にも注意しながら、駐車場やトランクルーム、看板・自動販売機、テナントや貸農園など、形状を活かした活用方法を検討してみましょう。

売却を考えるなら、隣地所有者への打診に加え、早期の現金化が見込める買取という選択肢もあります。

三角地の性質を正しく理解し、活用と売却のどちらが自分に合うかを見極めながら、後悔のない判断につなげてください。

監修者

塚田 拓士

不動産鑑定士

新卒で東京国税局に入局し、相続税の税務調査を担当しながら不動産鑑定士試験に合格。2007年にフィンテックグローバル(FGI)に入社し、事業再生、事業承継投資やPMI等を経験したのち、不動産M&Aによる投資事業を始め、FGIの主要事業に育てた。現在は不動産M&Aや投資商品の販売を推進している。