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区分マンション投資とは?メリット・デメリットと失敗しない物件選びを解説

「区分マンション投資の仕組みは?」
「物件の選び方のポイントを知りたい」

この記事では、区分マンション投資の基本知識から、メリット・デメリット、失敗しない物件選びのポイントまでを解説します。

1.区分マンション投資とは

区分マンション投資とは、マンションの一室を所有して賃貸に出し、収益を得る不動産投資の手法です。

区分マンション投資では一棟丸ごとマンションを購入するのではなく、一部屋単位で所有するため初期投資額が一棟所有と比べて低く、管理の範囲が専有部分と持分のみに限定されます。

初心者向けの投資として人気の方法で、一般的には家賃収入(インカムゲイン)がメインの収益源となります。

また、地価の上昇などで物件の価格が上がれば、物件を売却した際に一定の売却益(キャピタルゲイン)も期待できるでしょう。

2.区分マンション投資の対象となる物件の特徴

区分マンション投資では、購入する物件のタイプによって投資戦略が大きく変わります。

区分マンション投資の対象となる物件の特徴

  1. ワンルームタイプ
  2. ファミリータイプ

代表的なこの二つのタイプを見ていきましょう。

(1)ワンルームタイプ

ワンルームタイプは、専有面積がおおよそ20~30㎡程度で、物件価格が比較的安く、また賃料も安いため単身者のニーズが高い物件です。

価格は物件の立地によりますが、東京都内の新築物件で3千万円以上、築古物件では地方であれば数百万円、東京都でも1千万万円台から購入できる物件もあります。

ワンルームタイプは単身者のニーズが高いため、人気エリアの、特に駅近物件であれば長期にわたって安定した家賃収入が期待できます。

また、ファミリーよりも退去までのスパンが短いというデメリットがある反面、入居者の入れ替わりが多いため賃料を上げやすいというメリットもあります。

(2)ファミリータイプ

ファミリータイプは、専有面積が50~80㎡程度の家族向け物件です。

物件価格はワンルームよりも高く、東京都心部の新築、築浅物件であれば1億円台~2億円を超えるものもあります。

ファミリータイプのマンションは入居期間が比較的長い傾向にあり、一度入居すると数年単位で住み続ける家族が多いため、ワンルームと比べて入居者の入れ替わりが少ないです。

また、退去後の原状回復費用のオーナー負担部分が高くつく傾向がありますが、空室になった際に、実需向けに高額で売却できる場合もあります。

3.区分マンション投資のメリット

区分マンション投資には、ほかの不動産投資手法と比べ独自のメリットがあります。

代表的なメリットとして、以下が挙げられます。

区分マンション投資のメリット

  1. 一棟所有よりも資金面でのハードルが低い
  2. 管理の手間が少なく本業と両立しやすい
  3. 流動性が比較的高く売却しやすい

(1)一棟所有よりも資金面でのハードルが低い

区分マンション投資の最大のメリットは、一棟マンションやアパートと比べて初期費用を大幅に抑えられる点です。

一棟マンション(アパート)は数千万円から億単位の資金が必要となるのに対し、区分マンションは場所を選ばなければ数百万円程度から始められる物件も多くあります。

そのため、会社員などの給与所得者でも自己資金と金融機関の融資で、無理なく不動産投資をスタートできる可能性があります。

購入資金を抑えられるため複数物件への分散投資もしやすく、リスクヘッジの面でも有利であると言われています。

(2)管理の手間が少なく本業と両立しやすい

区分マンションの管理は、原則として管理組合が行います。

専有部分の管理や借主の対応などはオーナーの責任ですが、この業務を管理会社へ委託することが可能です。

管理を委託すれば家賃の回収や入居者対応も管理会社が代行するため、オーナーの手間はほぼありません。

そのため、本業がある場合でも副業的に不動産投資を進めやすく、手間なく資金を運用できます。

(3)流動性が比較的高く売却しやすい

区分マンションは一棟マンションと比べて流動性が高く、売却しやすい点も魅力です。

物件価格が一棟物件よりも低く、購入できる買い手の層が広いためです。

例えば、ファミリータイプの区分マンションは投資目的の買い手だけでなく、空室の場合、「自分たちが住むために買いたい」という実需も見込め、賃貸中の物件よりも高く売れる可能性が高まるため、出口戦略は幅広くなります。

一方で、一棟物件は価格が高額であることから投資家や法人に買い手が限定されやすく、売却まで時間がかかることも少なくありません。

このように、一棟マンションと比べると区分マンションのほうが売却のしやすさでは有利といえるでしょう。

4.区分マンション投資のデメリット

区分マンション投資は参入しやすさが大きな魅力ですが、それだけで飛びつくのは危険です。

区分マンション投資のデメリット

  1. 空室になるとキャッシュフローが破綻する
  2. 管理組合が建物の運用方針を決定する

事前にデメリットも理解したうえで、投資の判断を行いましょう。

(1)空室になるとキャッシュフローが破綻する

区分マンションの最大の弱点は、空室により収入が途絶えるリスクです。

一棟所有であれば一つの部屋が空室になっても、ほかの部屋からの家賃収入でカバーできます。

しかし、区分マンションは一室しか所有していないため、空室になった途端に家賃収入はゼロになります。

仮に家賃が入ってこなくてもローン返済や管理費などは発生し続けるため、空室期間が長引けば自己資金から賄わなければなりません。

空室が長期化しないような立地の物件を選択する、家賃の設定を適正にする、賃貸の客付けに強く管理物件の稼働率が高い管理会社を選ぶ、など空室リスクを低減するような戦略を考えることが必要です。

(2)管理組合が建物の運用方針を決定する

区分マンションでは、建物全体の運営方針は管理組合の決議によって決定されます。

大規模修繕の実施時期、修繕積立金の値上げ、共用設備の更新など、オーナー個人の意向だけでは決められない事項が多いです。

また、築古の物件などに見られるような、管理組合の運営が機能不全に陥っているマンションでは、必要な修繕が行われず、建物全体の資産価値が下がってしまうリスクもあります。

逆に、過剰な修繕計画が決議されれば、負担金が想定以上に膨らむ可能性もあります。

5.区分マンション投資で失敗しないための物件選び

区分マンション投資で失敗しないためには、賃貸・売却ともに需要の高い物件を選ぶ必要があります。

失敗しないための四つのポイントを順に解説します。

区分マンション投資で失敗しないための物件選び

  1. 物件のタイプと立地の相性を検討する
  2. 人口変動や供給量のバランスをチェックする
  3. 管理組合の議事録などを購入前に確認する
  4. 住民の属性なども確認する

(1)物件のタイプと立地の相性を検討する

区分マンションを選ぶ際は、物件タイプと立地の相性を見極めましょう。

例えば、ワンルームマンションは単身者の需要が高い駅近・都心アクセスの良いエリアでなければ、空室リスクが高まる傾向にあります。

逆にファミリータイプは駅から多少離れていても、学区が良い・大型商業施設が近い・公園が多いといった環境が整っているエリアであれば、安定した需要が見込めます。

エリアの賃貸需要の中心がどの層なのかを見極め、物件タイプとミスマッチがないかを確認することが重要です。

(2)人口変動や供給量のバランスをチェックする

エリアの人口動態と新築物件の供給状況も、購入前に確認しましょう。

人口が増加しているエリアでは賃貸需要が安定し、物件価格や家賃の下落リスクも限定的です。

また、近年の建築費の高騰を受けて、新築マンションの供給が少ないエリアでは、需要が供給を上回り、家賃が上昇しているエリアもあります。

逆に、人口減少が続くエリアでは、現時点では空室がなくても、将来的な需要の減少によって家賃下落や空室率の上昇と空室の長期化のリスクが高まります。

加えて、新築マンションやアパートが大量供給されているエリアでは、競合物件が増えることで既存の物件の競争力が低下する可能性もあります。

自治体が公表する都市計画情報などを参考に、長期的な視点でエリアを評価しましょう。

(3)管理組合の議事録などを購入前に確認する

区分マンションを購入する前には管理組合の議事録、長期修繕計画、修繕積立金の残高を確認しましょう。

これらの書類から、管理組合が適切に運営されているか、修繕計画は現実的か、積立金は十分に貯まっているかを読み取れることがあります。

特に注意したいのは、修繕積立金の不足です。

積立金が不足しているマンションでは、大規模修繕の際に一時金を徴収されたり、積立金が大幅に値上げされたりするリスクや、資金不足により十分な修繕が実施されないリスクがあります。

これらの負担はそのままオーナーの収益を圧迫するため、購入前に必ずチェックしましょう。

(4)住民の属性なども確認する

物件購入前の現地視察では建物の状態だけでなく、住民の属性や雰囲気もチェックしましょう。

ゴミ捨て場が荒れている場合や駐輪場に放置自転車が多い場合には、住民のマナーが低く、管理組合が機能していない可能性があります。

こうしたマンションでは、住環境の悪化によって優良な入居者が定着しにくく、空室期間も長引きやすい傾向にあります。

逆に、共用部が清潔に保たれているマンションは、住民の意識が高く、長期的に資産価値が維持されやすいでしょう。

売主が提供する写真だけで現地の状況を判断せず、可能であれば複数の時間帯に現地を訪れ、リアルな状況を確認することをおすすめします。

6.区分マンション投資についてよくある質問

区分マンション投資について多く寄せられる質問には、以下のようなものがあります。

区分マンション投資についてよくある質問

  1. 区分マンション投資を始められる年収の基準は?
  2. 区分マンション1部屋だけでも利益は出せますか?
  3. 新築と中古の区分マンションはどちらがおすすめですか?
  4. サブリース契約は区分マンションでも結んだほうがいいですか?

(1)区分マンション投資を始められる年収の基準は?

区分マンション投資を始められる年収の基準は、500万円以上と言われています。

ただしこれはあくまで目安であり、融資の判断には勤務先の安定性や自己資金の金額が考慮されます。

年収が基準に届かない場合でも、頭金を多く入れたり、価格帯の低い物件から始めたりすることで、融資の可能性を高めることが可能です。

その反面年収が基準以上でも、資金に余裕がない場合や近い将来に住宅ローンを借りて自宅を購入する予定がある方が区分マンション投資を始める際には慎重に判断するべきです。

(2)区分マンション1部屋だけでも利益は出せますか?

区分マンション一室でも、物件の条件と運用次第で利益を出すことができます。

ただし、空室時に家賃収入がゼロになるリスクは避けられないため、購入時の収支シミュレーションは慎重に行う必要があります。

家賃収入から諸経費を差し引いて、手残りがプラスになる物件を選ぶのが基本であるため、成功のためには好条件の物件を無理のない価格で購入することが重要です。

常に物件情報をチェックしたり、不動産会社と連携したりして情報を得られるようにしておきましょう。

(3)新築と中古の区分マンションはどちらがおすすめですか?

投資目的の購入であれば、中古物件のほうが有利になる傾向があります。

新築物件は売り出しのための様々な費用が上乗せされており、実際の価値以上の売値になっていることが多いためです。

一方で中古物件は上記のような上乗せがなく、利回りも比較的高いです。

ただし、中古物件は築年数による設備の劣化や、修繕積立金の不足リスクもあるため、購入前のチェックは入念に行う必要があります。

(4)サブリース契約は区分マンションでも結んだほうがいいですか?

サブリース契約は家賃保証という安心感がある一方で、通常に賃貸した場合よりも収益性が低くなります。

また、保証賃料が定期的に減額されるためさらに収益性が低くなるリスクがあり、契約によっては解除が難しいという欠点があります。

収益性が低いだけでなく、サブリース契約のせいで売れないという状況も想定できるので、サブリース契約は慎重に検討すべきです。

契約前には内容をしっかり確認し、リスクを認識したうえで判断するべきです。

まとめ

区分マンション投資は、一棟所有と比べて少ない資金から始められ、管理の手間も少ないため、本業を持ちながら不動産投資を始めたい方に適しています。

実際に区分ワンルームマンション投資から不動産投資を始めてうまくいっているオーナーも多くいらっしゃいます。

一方、一部屋しか持たないがゆえの空室リスクや、管理組合の方針に左右される構造的な制約もあるため、物件選びの段階でリスクを十分に見極めることが重要です。

物件タイプと立地の相性、人口動態、管理組合の運営状況、住民の属性など、複数の観点から物件を評価し、長期的に安定収益を生み出せる物件を選ぶ必要があります。

区分マンション投資を始めたい方は、信頼できる不動産会社との連携も重要と考え、不動産会社選びを重視するべきです。

物件選びから出口戦略まで誠実なアドバイスをしてくれる会社を選ぶことで、区分マンション投資を成功させる確率を高めることはできます。

監修者

塚田 拓士

不動産鑑定士

新卒で東京国税局に入局し、相続税の税務調査を担当しながら不動産鑑定士試験に合格。2007年にフィンテックグローバル(FGI)に入社し、事業再生、事業承継投資やPMI等を経験したのち、不動産M&Aによる投資事業を始め、FGIの主要事業に育てた。現在は不動産M&Aや投資商品の販売を推進している。