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土地売却の流れを8ステップで解説!各段階の期間・必要書類・やるべきことまとめ

「土地を売りたい場合にはどんなことから始めるべき?」
「土地売却を進めるうえで注意すべきポイントにはどんなものがある?」

土地売却の流れを、事前準備から確定申告まで8つのステップでまとめてみましょう。

ステップ1~7までで、おおむね3〜6か月程度の期間を要します。

各ステップでやるべきことを事前に把握しておけば、初めての土地売却でもスムーズに進められるでしょう。

この記事では、土地売却の流れを8ステップに分けて、各段階の期間・必要書類・注意点を詳しく解説しています。

自分の状況に合った売却スケジュールを組み立て、余裕を持って手続きを進めるために参考になさってください。

土地売却の流れと簡単なスケジュール

土地売却の全体像については、以下の2点を押さえることが大切です。

土地売却の流れと簡単なスケジュール

  1. 土地売却の流れ
  2. 土地売却にかかる期間

それぞれについて見ていきましょう。

(1)土地売却の流れ

土地売却は以下の8ステップで進行します。

ステップ 内容 目安期間
STEP1 事前準備・情報収集 約1〜4週間
STEP2 不動産会社への査定依頼 約1〜2週間
STEP3 媒介契約の締結 約1週間
STEP4 売却活動 約1〜3か月
STEP5 買付申込・条件交渉 約1〜2週間
STEP6 売買契約の締結 約1週間
STEP7 決済・引渡し 約1〜2か月
STEP8 確定申告 売却翌年の2〜3月

各ステップの詳細は次のセクション以降で順に解説していきます。

(2)土地売却にかかる期間

土地の売却期間は、不動産会社への査定依頼から引渡し完了まで、一般的に3〜6か月程度です。

ただし、境界確定測量が未了の場合は1〜3か月程度追加の期間が発生することがあります。

また、立地や価格設定によっては1年以上かかることもあるため、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。

【STEP1】事前準備・情報収集

売却活動をスムーズに進めるためには、事前準備の質がカギを握ります。

【STEP1】事前準備・情報収集の流れ

  1. 土地の権利関係と現況を確認する
  2. 境界の状況を確認する
  3. 必要書類を早めに収集する
  4. 土地の相場を自分で調べる

このステップを丁寧に行うことで、後の工程でのトラブルを未然に防げるでしょう。

(1)土地の権利関係と現況を確認する

最初にすべきことは、登記簿謄本(登記事項証明書)を取得して、土地の所有者名義を確認する作業です。

土地は名義人本人でなければ売却できないため、まず自分の名義になっているかどうかを必ずチェックしましょう。

名義が異なるケースとして最も多いのが、相続した土地で被相続人の名義のまま放置されているパターンです。

上記を確認するためにも登記簿謄本を取り寄せ、名義人が誰になっているか確認することが大切です。

また、土地に抵当権などの担保権が登記されていないか、差押え等の登記がされていないかも確認することが必要です。

(2)境界の状況を確認する

土地売却において、境界の明確さは買主の安心感に直結します。

登記簿上の面積と実際の面積は異なることが多く、境界が明確でない土地は面積も確定しません。

土地の価格は、坪いくら、などと日常会話でも言われるほどで、面積(坪数)に比例するのが一般的なので価格が定まらないこともあり得ます。

また、境界が曖昧なまま土地を購入してしまうと、買主と隣地所有者との間で敷地の範囲をめぐるトラブルに発展するリスクがあります。

買主の不安を減らすためにも、売主は確定測量図の有無や境界標(コンクリート杭や金属プレートなど)が正しく設置されているか、確認することが必要です。

但し、不動産のプロでない限り、測量図が確定測量図なのか、境界標が正式な境界を表すものとなっているのか、判別が難しいので、専門家に相談する必要があるでしょう。

境界が不明確な場合は、土地家屋調査士に依頼して確定測量を実施する必要があります。

測量には1〜3か月程度かかるケースも珍しくないため、売却を決めた段階でできるだけ早く着手するのが理想的です。

(3)必要書類を早めに収集する

土地の売却には様々な書類が必要になりますが、取得に時間がかかるものもあります。

以下のような書類は早めに集めておき、スムーズに売却を進められるように準備しましょう。

書類名 概要
登記済権利証(登記識別情報) 土地の所有者本人であることを確認するための書類
固定資産税納税通知書 最新年度のものが必要
地積測量図 土地の面積・形状等を示す図面
建物図面(建物がある場合) 古家付き(古い建物がある)の場合に準備が必要

なお、万が一登記済権利証を紛失した場合は、本人確認情報を司法書士に作成してもらうことが必要です。

ただし、その手続きにも数万円~十万円以上の費用と日数がかかるため、早い段階で手元にあるか確認しておきましょう。

(4)土地の相場を自分で調べる

次に大切なのが、土地の相場の調査です。

不動産会社の査定を受ける前に、自分で相場感を把握しておくことが適正価格での売却につながります。

以下のような無料ツールを活用して、近隣の取引事例や公示地価を調べることができます。

ツール名 確認できる情報
不動産情報ライブラリ 過去の実際の取引価格
全国地価マップ 路線価・公示地価・基準地価
レインズマーケットインフォメーション 過去の成約価格(エリア別)

複数のツールで調べることで、価格のばらつきや地域ごとの傾向が把握しやすくなるでしょう。

事前に相場を知っておくと、後の査定段階で不動産会社の査定額が妥当かどうかを冷静に判断できます。

なお、個別の土地の価格は、土地の形状や接道状況等に影響されますので、必ずしも相場価格で売れるものではありません。

不動産会社へ査定依頼をして、実際にいくらぐらいで売れそうかを把握しておくことが重要です。

【STEP2】不動産会社への査定依頼

事前準備が整ったら、不動産会社に査定を依頼しましょう。

査定依頼を出すときに意識したいポイントとしては、以下のものが挙げられます。

【STEP2】不動産会社への査定依頼の際のポイント

  1. 査定の種類と使い分け
  2. 査定時に確認すべきポイント
  3. 不動産会社を比較するときの判断基準

このステップでは、適正な売却価格の把握と信頼できる不動産会社を選定することが重要です。

(1)査定の種類と使い分け

不動産会社の査定には「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定」の2種類があります。

机上査定は、過去の取引データや公示地価などをもとに概算の査定額を算出する方法です。

手軽に結果を受け取れる反面、実際の土地の状態が反映されにくいため、精度には限界があります。

一方で訪問査定は担当者が現地に足を運び、接道状況や周辺環境、土地の形状などを直接確認したうえで算出するため、より正確な価格が把握できます。

まず3〜5社に机上査定を依頼して相場を把握し、そこから2〜3社に絞って訪問査定を受ける流れが一般的です。

(2)査定時に確認すべきポイント

不動産会社の査定を受けたときは、査定額の根拠を具体的に聞き出しましょう。

査定額の根拠をしっかり答えられる不動産会社ほど、調査を徹底しており、土地売却の知識も深いと考えられます。

近隣でどのような成約事例があったのか、類似物件との比較データを提示してもらいましょう。

特に土地の場合は、接道状況・用途地域・土地の形状・高低差といった評価ポイントが査定額に大きく影響します。

例えば、前面道路に面している幅が2m未満の場合、原則として新しい建物を建てることができませんので、現在建っている古い建物を修繕しながら使う必要があります。

また、前面道路の幅員が4m未満の場合はセットバック(道路後退)が必要になり、有効面積が減少します。

なお、前面道路が私道で持分を持たない場合、私道の所有者に対して、私道の通行や掘削の承諾をもらう必要がある場合があります。

こうした土地固有の条件が査定額にどう反映されているかを質問し、納得できるまで確認することが大切です。

(3)不動産会社を比較するときの判断基準

複数社の査定結果が出たら、不動産会社の比較に入りますが、その際は以下のようなことを基準にしましょう。

比較項目 チェックポイント
土地売買の実績 類似条件の土地で成約実績があるか
地域への精通度 対象エリアの市場動向を把握しているか
担当者の対応力 レスポンスが早く説明が丁寧か
販売戦略の提案力 具体的な売却プランを提示しているか

注意したいのは、査定額が極端に高い会社です。

媒介契約を取りつけるために相場より高い査定額を提示し、契約後に大幅な値下げを提案する手法は「高預かり」と呼ばれ、結果的に売却期間が長引くことになりかねません。

査定額だけでなく、その根拠と販売戦略の具体性を重視して総合的に判断することが大切です。

【STEP3】媒介契約の締結

不動産会社が決まったら、正式に売却を依頼する「媒介契約」を締結します。

【STEP3】媒介契約の締結の際のポイント

  1. 3種類の媒介契約の違い
  2. 土地売却ではどの媒介契約が向いているか
  3. 媒介契約時にチェックすべき項目

媒介契約を締結する場合には、これらの点を理解しておきましょう。

(1)3種類の媒介契約の違い

媒介契約には以下の3種類があり、それぞれ条件が異なります。

項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数社への依頼 可能 不可 不可
レインズ登録義務 なし(任意) 7日以内 5日以内
活動報告の頻度 義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上
自己発見取引 可能 可能 不可

自己発見取引とは、売主自身が買主を見つけて直接取引することですが、専属専任媒介契約ではこれが認められません。

コネクションを使って購入希望者を募る可能性を残しておきたい場合は、契約形態に注意しましょう。

(2)土地売却ではどの媒介契約が向いているか

土地は建物のような室内見学がないぶん、広告やレインズ(宅建業者かつレインズ会員でしか見られない不動産業者向けサイト)での物件情報の露出が販売活動の中心となります。

もちろん立地や周辺環境、日当たりの確認などは行われますが、内覧時のように物件の付加価値を高める戦略は取れません。

専任媒介・専属専任媒介契約は売れれば不動産会社に成約報酬が入る可能性が高く、積極的な販売活動を行ってもらいやすいです。

駅近や人気エリアなど引き合いが多い土地の場合は、一般媒介契約を選んで複数社で成功報酬を争う形をとったほうが、より良い条件の買主が見つかりやすい傾向にありますが、複数の申込があった場合にトラブルになる可能性がありますので、気を付ける必要があります。

自分の土地の立地条件や売却までの期限も踏まえて契約形態を選ぶことがおすすめです。

(3)媒介契約時にチェックすべき項目

媒介契約を締結する際は、契約期間と仲介手数料の支払いに関する事項を確認しておきましょう。

まず契約期間ですが、専任媒介契約および専属専任媒介契約の契約期間は、宅地建物取引業法により最長3か月と定められています。

期間満了後は自動更新ではなく、更新するかどうかを売主が判断する仕組みです。

また、仲介手数料の金額と支払時期も明確にしておきましょう。

売買価格が400万円を超える場合、仲介手数料の上限は「売買価格×3%+6万円+消費税」と法律で定められています。

そのほか、不動産会社が実施する広告活動の具体的な内容やレインズ登録の有無、解約条件なども書面で確認しておくと安心です。

【STEP4】売却活動

媒介契約を締結すると、いよいよ売却活動がスタートします。

【STEP4】売却活動のポイント

  1. 売出価格の決め方
  2. 不動産会社が行う販売活動の内容
  3. 売却活動中に売主がやるべきこと

このステップでは売出価格の決定と不動産会社による販売活動が中心です。

(1)売出価格の決め方

売出価格は、査定額をベースに値引き交渉の余地を見込んで設定するのが一般的です。

相場より大幅に高い価格を設定すると長期間売れ残り、「売れ残り物件」という印象がついてしまうリスクがあります。

逆に売出価格が安すぎると購入希望者は現れやすいですが、本来得られるはずだった利益を逃すことになります。

一方で、住宅の買い替えや相続などの事情で、売らなければならない期限が迫っている場合には安くても確実に売れるほうがよい場合もあります。

適切な目安としては、査定額の1割程度高めに設定して交渉の余地を残しておくのがおすすめです。

仮に3か月経っても反響がない場合は、価格の見直しか、不動産会社の変更を検討してみることも有効です。

(2)不動産会社が行う販売活動の内容

不動産会社との媒介契約後、不動産会社はレインズ(宅建業者かつレインズ会員でしか見られない不動産業者向けサイト)への登録、不動産ポータルサイトへの掲載、チラシの配布、現地看板の設置といった販売活動を開始します。

売主として重要なのは、不動産会社からの活動報告を定期的にチェックし、問い合わせ件数や反応を把握しておくことです。

反響が少ない場合は、価格設定の見直しなど、戦略の修正を不動産会社に相談しましょう。

ポータルサイトやチラシに使われている写真やキャッチコピーによっても反響数が変わることがありますので、販売の状況によっては、細かい点まで話し合って決めていく必要があるかもしれません。

販売活動の進捗を放置していると、売り時を逃してしまうこともあるので、売主側も販売の進捗はしっかり把握することが大切です。

(3)売却活動中に売主がやるべきこと

売却活動中は、土地の第一印象にも気を配りましょう。

特に雑草が伸び放題の状態やゴミ・残置物が放置されたままでは、購入希望者の印象が悪くなりかねません。

定期的な除草や清掃を実施することで、購入希望者に「管理が行き届いている土地」という好印象を与えます。

夏場などで除草が追い付かない場合には、費用は掛かりますが、防草シートを敷くことも有効です。

また、雑草が生い茂っている土地よりも防草シートが敷いてある土地のほうがごみが不法に捨てられるケースは少ないです。

なお、定期的にポータルサイトなどを見て、新たに類似の競合物件が出ていないか、価格はどちらが割安か、などを把握しておくと、販売戦略の変更などが検討しやすくなります。

【STEP5】買付申込・条件交渉

購入希望者が現れると、条件交渉のステップに入ります。

このステップでは、以下の点を把握しておきましょう。

【STEP5】買付申込・条件交渉のポイント

  1. 買付申込書(購入申込書)とは
  2. 価格交渉の進め方と判断基準

それぞれの詳細についてご説明します。

(1)買付申込書(購入申込書)とは

購入希望者が最初に提出するのが「買付申込書(購入申込書)」です。

この書類には、購入希望価格・手付金額・引渡し希望日・住宅ローン利用の有無などが記載されています。

買付申込書には法的拘束力はなく、書類が発行されたからといって購入が確定するわけではありません。

そのため、売主はこの段階で承諾・拒否・条件変更のいずれも自由に選択可能です。

複数の買付申込が入った場合は、価格条件だけでなく資金計画の確実性や引渡し時期の希望なども考慮して判断しましょう。

(2)価格交渉の進め方と判断基準

価格交渉を受けた際は、市場動向と自分の売却期限を総合的に考慮することが大切です。

例えば、売り出してから長期間経過している場合は多少の値引きに応じることで成約につながるケースがあります。

一方、売り出し直後で、かつ競合物件が見当たらない段階であれば、他の購入希望者が現れる可能性も踏まえて強気の姿勢を維持することも考えられます。

【STEP6】売買契約の締結

条件面で合意に至ったら、正式に売買契約を締結します。

【STEP6】売買契約の締結に関するポイント

  1. 重要事項説明の内容と確認ポイント
  2. 売買契約書のチェック項目
  3. 手付金の受け取りと契約後の注意点

このステップでは法的な拘束力が発生するため、契約内容の確認を慎重に行いましょう。

(1)重要事項説明の内容と確認ポイント

売買契約の締結に先立ち、宅地建物取引士による重要事項説明が行われます。

説明される内容は、土地の法令上の制限(用途地域・建ぺい率・容積率)、接道状況、境界の確定状況、上下水道やガスなどのインフラ整備状況、近隣の開発計画、ハザードマップに基づく災害リスク、さらには告知事項の有無など多岐にわたります。

この際に、売主側も説明内容を事前に把握しておくことで、買主からの質問に対応することができます。

不明な点があれば契約締結前に必ず確認し、疑問を解消しておいてください。

(2)売買契約書のチェック項目

売買契約書で特に注意して確認すべき項目は以下です。

チェック項目 確認すべき内容
売買価格 合意した金額と一致しているか
手付金 金額、手付金の性質(解約手付か、証約手付か)、解除の条件
契約不適合責任 売主が負う責任の範囲と期間
引渡し日 具体的な日程と遅延時の取り決め
固定資産税の精算 起算日と精算方法
特約条項 融資特約の有無と特約による解除期限
地中埋設物や土壌汚染に関する免責事項など

土地売却では、契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)の範囲が特に重要なポイントです。

地中に以前の建物の基礎や配管、土壌汚染などが存在する可能性があるため、特約で明確に取り決めておくことでトラブルを防止できるでしょう。

(3)手付金の受け取りと契約後の注意点

手付金は売買価格の5〜20%が一般的で、契約締結時に買主から受け取ります。

なお、手付金が解約手付の場合、手付解除期日までは、買主が手付金を放棄して契約を解除できますが、証約手付の場合は別途手付に関する取り決めがある点を認識しておく必要があります。

解約手付の場合は、売主も手付金の倍額を返還すれば解除が可能です。

契約締結後は、決済・引渡しに向けて抵当権の抹消手続き、契約内容に応じて、残置物の撤去、建物がある場合の解体工事の手配など、必要な準備を進めましょう。

【STEP7】決済・引渡し

売買契約から約1〜2か月後、決済と引渡しが行われます。

決済・引渡しのポイント

  1. 決済日当日の流れ
  2. 決済時に必要な書類と持ち物
  3. 固定資産税・都市計画税の精算

この日をもって土地の所有権が正式に買主へ移転するため、売却手続きの最終段階です。

(1)決済日当日の流れ

決済日当日は、金融機関の応接室等に売主・買主・不動産会社の担当者・司法書士が集まって手続きを行います。

手続きの流れは概ね以下です。

決済日当日の流れ

  1. 残代金の受領
  2. 抵当権抹消登記の申請
  3. 所有権移転登記の申請
  4. 書類や鍵の引渡し

司法書士がすべての書類を確認したうえで登記申請の手続きを進めるため、当日の所要時間はおおむね1〜2時間程度です。

住宅ローンの残債がある場合は、売却代金で一括返済を行い、同日中に抵当権を抹消します。

(2)決済時に必要な書類と持ち物

決済日に持参すべき書類・持ち物には、以下のようなものがあります。

持ち物 備考
登記済権利証(登記識別情報) 所有権移転登記に必要
実印 印鑑証明書と同一のもの
印鑑証明書 発行から3か月以内のもの
本人確認書類 運転免許証やパスポートなど
固定資産税評価証明書 登録免許税の算出に使用
振込先口座の通帳 売却代金の受取口座

書類に不備があると決済が延期されてしまう可能性があるため、事前に不動産会社と司法書士に確認しておきましょう。

(3)固定資産税・都市計画税の精算

固定資産税と都市計画税は、法律上は1月1日時点の所有者にその年の税額が課されますが、実務では引渡し日を基準に日割り計算し、売主・買主間で精算するのが一般的です。

精算の起算日は「1月1日」とする地域と「4月1日」とする地域があります。

ただしこれは法律上の決まりではなく、どちらを基準にするかは売買契約で自由に定めることが可能です。

実際の精算方法は売買契約書に明記されるため、契約締結時に起算日や精算方法の記載内容を確認しておきましょう。

【STEP8】確定申告

土地の引渡しが完了したら、最後のステップとして確定申告の準備に取りかかりましょう。

【STEP8】確定申告に関するポイント

  1. 確定申告が必要なケース・不要なケース
  2. 確定申告の時期と手続きの流れ

順に解説します。

(1)確定申告が必要なケース・不要なケース

土地売却で譲渡益(売却益)が出た場合は、原則として確定申告が必要です。

この売却益の考え方には注意が必要です。

当初、建売住宅を購入した場合には、土地部分を購入したときの価格を、売却価格が上回っていると、売却益が出ることになりますので、購入時の土地建物の割合を客観的に説明できる資料が必要です。

一方、譲渡損(売却損)が発生する場合には、原則として確定申告は不要です。

当初、建売住宅を購入した場合には、購入時の価格を土地価格が下回っていても、土地部分の価格だけを比較して売却益が出ている可能性がありますので、購入時の書類を確認し、心配な場合には税理士に確認することが必要です。

事例 6000万円の建売住宅を購入、建物解体後、土地を3000万円で売却した場合

①購入時の土地価格が2000万円だった場合
3000万円-2000万円=1000万円の譲渡益が発生するため、確定申告が必要

②購入時の土地価格が4000万円だった場合
3000万円-4000万円=▲1000万円の譲渡損が発生するため、確定申告は不要

ただし、3,000万円特別控除などの特例を適用したい場合は、税負担が発生しない見込みでも申告が必要です。

また、居住用資産の3,000万円特別控除は適用要件がいくつかあり、一つでも要件を満たさない場合には控除が受けられないので、事前に適用要件を確認しておく必要があります。

土地の譲渡が申告対象かどうか判断がつかない場合は、売買契約書や取得費(土地を購入したときの費用)の資料を揃えたうえで、税理士へ相談しましょう。

(2)確定申告の時期と手続きの流れ

確定申告の期間は、土地を売却した翌年の2月16日から3月15日までです。

申告方法は、税務署への書類提出のほか、e-Taxを利用したオンライン申告もできます。

準備すべき主な書類は、売買契約書の写し、仲介手数料の領収書、登記費用の領収書、取得時の契約書(取得費の証明)などです。

なお、土地売却後の確定申告は必要な書類が多く、また特例の適用判断なども複雑になるため、税理士に相談して進めましょう。

【ケース別】状況に応じた土地売却の流れ

土地の状況によっては、通常の8ステップに加えて特別な手続きが発生するケースがあります。

【ケース別】状況に応じた土地売却の流れ

  1. 相続した土地を売却する場合
  2. 古家付き土地を売却する場合

代表的な二つのパターンについて、ポイントを確認しておきましょう。

(1)相続した土地を売却する場合

相続した土地を売却する場合、まだ名義変更が完了していないケースでは、通常の売却手続きの前に「遺産分割協議」と「相続登記」が必要になります。

まず相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がその土地を取得するかを決定し、協議がまとまったら遺産分割協議書を作成し、法務局で相続登記をしましょう。

なお、不動産は名義人本人しか売却できないため、相続登記が完了して初めて売却活動を開始できます。

このプロセスに要する期間も含めてスケジュールを立てることが重要です。

(2)古家付き土地を売却する場合

古い建物が残っている土地は、「古家付きのまま売却する」か「更地にしてから売却する」かを選択する必要があります。

選択肢 メリット デメリット
古家付きのまま ・解体費用がかからない
・住宅用地の固定資産税軽減措置を維持できる
・買主が限定される
・売却価格が低くなる傾向にある
更地にして売却 ・買主が見つかりやすい
・売却期間の短縮が期待できる
・解体費用が発生する
・固定資産税が増える可能性あり

更地にする場合は、解体後から売却完了までの期間に固定資産税が大幅に上がるリスクがある点に注意しましょう。

売却時期が明確に見通せる場合は更地化が有利ですが、見通しが立たない場合は古家付きのまま売りに出すほうがリスクを抑えられることもあります。

不動産会社と相談しながら、自分の土地に合った方法を選択しましょう。

土地売却でよくある失敗と対策

事前の知識不足から、想定外の損失やトラブルに見舞われるケースは少なくありません。

土地売却でよくある失敗と対策

  1. 不動産会社を最初から1社だけで決めてしまい、売れなくても変更しない
  2. 境界確定をせずに売却を進めてしまう
  3. 売却スケジュールに余裕がなく安値で手放す
  4. 確定申告を忘れて追徴課税を受ける

代表的な失敗パターンと、その対策について解説します。

(1)不動産会社を最初から1社だけで決めてしまい、売れなくても変更しない

土地の相場がわからない場合、1社のみに査定を依頼すると、提示された査定額が適正かどうかの比較ができません。

結果的に、本来もっと高く売れたはずの土地を安く手放してしまうリスクや、売出価格が高すぎていつまでも売れないリスクがあります。

対策としては、可能であれば、最低でも3社以上に査定を依頼し、査定額の根拠と販売戦略を比較検討して納得して1社に任せることが重要です。

不動産会社をいきなり1社に絞り込むことなく、可能な範囲で、複数の不動産会社の査定結果を比較して検討しましょう。

(2)境界確定をせずに売却を進めてしまう

境界が未確定のまま売却を進めると、隣地所有者との間で境界をめぐるトラブルが発生して決済できずに違約になったり、引き渡し後に買主とのトラブルになったりする危険性があります。

最悪の場合、訴訟に発展して追加の費用と時間がかかるリスクもあります。

売却を決めた時点で速やかに土地家屋調査士に相談し、確定測量を実施しておくことが最善の対策です。

また、日ごろから隣地所有者とは良好な関係を保っておくことも重要です。

(3)売却スケジュールに余裕がなく安値で手放す

「早く売りたい」という焦りから、相場より大幅に安い価格で妥協してしまうケースがよく見受けられます。

特に相続税の納付期限や転居のタイミングなど、期限に追われている場合にこの失敗が起きやすいでしょう。

適正価格での売却には最低でも3か月程度の販売期間が必要なため、できるだけ早い段階から売却準備に着手することが大切です。

(4)確定申告を忘れて追徴課税を受ける

特例を適用して税額がゼロになるケースでも、確定申告を行わなければ特例は適用されません。

申告を怠った場合は、無申告加算税(状況により納付すべき税額の一定割合)や延滞税が課される可能性があります。

売却した年のうちにカレンダーへ申告期限を記録し、翌年2月16日〜3月15日の申告期間に忘れず対応しましょう。

自分で確定申告をする時間がない場合や複雑な税務知識がない場合には、税理士に相談することがおすすめです。

土地売却の流れに関するよくある質問

最後に土地売却の流れについてよくある質問をまとめました。

土地売却の流れに関するよくある質問

  1. 土地売却の流れは建物(マンション)売却と何が違う?
  2. 不動産会社を途中で変更できる?
  3. 土地が売れない場合はどうする?

これから土地の売却を進める際の参考となれば幸いです。

(1)土地売却の流れは建物(マンション)売却と何が違う?

最大の違いは、土地売却には建物の内覧の必要がない点です。

とはいえ、土地の境界や隣地との高低差等の確認は必要ですので、買主に敷地の中や境界を確認してもらう必要はあります。

建物(マンション)の場合、購入希望者は室内の状態によって購入の判断を決定しますが、土地の現地確認は立地・面積・接道条件・道路や隣地との高低差・隣地からの越境物の有無などが中心になります。

一方で、土地売却では境界確定測量や地中埋設物のリスク確認など、土地特有の手続きが求められます。

(2)不動産会社を途中で変更できる?

一般媒介契約であれば、いつでも他社への切り替えや追加依頼が可能です。

専任媒介・専属専任媒介の場合は、契約期間(原則3か月)の満了時に更新しない旨を伝えることで変更できます。

不動産会社に不満がある場合は、まず担当者にその旨を伝えて改善を求め、それでも改善されない場合に契約期間満了での変更を検討しましょう。

(3)土地が売れない場合はどうする?

まず検討すべきは売出価格の見直しです。

相場から乖離した価格設定が、売れ残りの原因となっている可能性があります。

価格を調整しても改善しない場合は、ポータルサイトやチラシに使われている写真やキャッチコピーを再検討したり、不動産会社を変更して新たな販売戦略を試す方法もあります。

それでも買い手がつかない場合は、不動産会社による買取も検討しましょう。

買取価格は仲介での売却によって期待できる価格のおおむね7〜8割程度(人気のエリアではそれ以上にもなります)ですが、確実に売却できるメリットがあります。

事情があって現金化を急ぎたい場合には、最初から不動産会社に買い取ってもらうほうがスムーズに手続きが進みます。

まとめ

土地売却は、事前準備から確定申告までのステップで構成され、全体でおおむね3〜6か月程度の期間を要します。

スムーズに進めるためのポイントは、権利関係と境界の早期確認、複数社への査定依頼と査定内容の比較、そして適正な売出価格の設定という三つに集約されるでしょう。

相続した土地・古家付き土地など、状況によって追加の手続きが発生するケースもあるため、自分の土地に当てはまる流れを事前に確認しておくことが大切です。

確定申告は特例適用の有無にかかわらず、譲渡益がある場合は忘れずに行うように、また、譲渡損が出たように見える場合でも本当に譲渡損なのか確認をしましょう。

監修者

塚田 拓士

不動産鑑定士

新卒で東京国税局に入局し、相続税の税務調査を担当しながら不動産鑑定士試験に合格。2007年にフィンテックグローバル(FGI)に入社し、事業再生、事業承継投資やPMI等を経験したのち、不動産M&Aによる投資事業を始め、FGIの主要事業に育てた。現在は不動産M&Aや投資商品の販売を推進している。